ジャスティスリーグの一員として街の人々を救う日々を過ごしていたバリーだったが、彼の心には昔何者かに襲われた母と、その罪を着せられ服役中の父のことという悲しい影があった。スピードの限界を越えることで過去に戻るコツをつかんだ彼は、事件が起きないようにちょっとだけ歴史を変えてしまう。しかし結果としてあらゆる物事が影響を受け、しかも彼自身もまた「すっかり変わってしまった世界」に迷い込むことに。性格の全然違う自分自身に戸惑い、さらには能力も失ってしまい……。
1992年に演じたマイケル・キートンが久しぶりにバットマン役を演じたほか、スーパーガールにサッシャ・カジェ、過去の関連作よりベンアフレック、マイケル・シャノン、ガルガッドット、ジェイソンモモアも登場。さらに多くのカメオ出演者も。
あらすじ
超高速で移動する能力を持つ、フラッシュことバリー・アレン(エズラ・ミラー)は、過去に戻って亡くなった母親の命を救う。彼のその行動は現在の世界に影響を及ぼし、スーパーマンらはおらず、バットマンは全くの別人になってしまう。さらにかつてスーパーマンによって倒されたはずの敵が大軍を率いて地球に押し寄せたため、フラッシュは世界を元通りにして人々を救おうとする。(シネマ・トゥデイより)
いやー予想してたよりもずっとコミカルで面白かったです。もちろん後半にかけてはシリアスになっていくんだけど、かつてのDC映画=暗いってもう言わせないぜってくらい明るい。ちょっとSF要素は出てきますがメインとなるのは親を亡くした息子の物語だし、しかも話が独立してるからわかりやすい。より一層人にすすめやすいです(笑)
一応DCEU(DCエクステンデットユニバース)の一つになっていて、この後の「ブルービートル」「アクアマン2」を最後に一回仕切り直しになっちゃうんだけど今回の主役のフラッシュは「ジャスティスリーグ」など何回か出てくるし、序盤に出てくるバットマン(ベンアフレック)やワンダーウーマンとかはそっちを見てるとすんなり入り込めます。が【ヒーローチームの末っ子ポジション】って理解しれてれば十分。
フラッシュの時間移動は「ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット」って映画がめっちゃ好きなので今回の映画で気に入った人、ただのジャスティスリーグしか見てないよって人はぜひ。
劇中で「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の名前が出されますが、見たことある人ならピンときやすい。【過去を変えたら歴史が変わっちゃた】そして【その世界にもう一人の自分として迷い込む】というのがメイン。だからエズラミラーはひとり二役を演じてるんですが、これまでのバリーが絵に描いたようなオタク男子だったのに対して、改変後のバリーは陽キャ。ルームシェアする友人がいたり、物事を深く考えなさそうだし。
「父の無実を晴らすために必死に勉強して警察に就職した」というタイプと、「両親健在で甘やかされて育った」違いって感じがよく出ててすごく面白かった。中盤くらいまでことの重大さとかよくわかってないから、バリー(1)がめっちゃイライラしてるの(笑)
おまけに力を失って、コミカルな方のバリー(2)が高速で動けるようになっちゃう。ですよねーってくらいバカな失敗を次々にやってくれて最高だったし、ヒーロー駆け出しの頃、みたいなのを改めて描写してくれて嬉しかったです。
今更ですが僕はアメリカで放送されていたドラマ版の「フラッシュ」が好きでずっと見続けていたのでどんなヒーローなのか、そして今回のような「過去改変の影響」も知っているんですが、映画は映画としてちゃんと魅力的だし、やっと単独主演きたか!って感じでこっちはこっちの良さがありました。ドラマ主演であるグラント・ガスティンもカメオ出演してくれたらどれほど嬉しかったか、って気持ちもあるんですけどね。huluなどで配信中ですのでアローやスーパーガールと共にぜひ。
そのスーパーガールも「スーパーマンは無事に地球に来れなかった」という設定で今回大活躍。サッシャ・カジェさん、クールでカッコ良くて一気に引き込まれました。マンオブスティールの時にも思いましたが、この人たちのパンチ1発1発の重さがある描写がドラゴンボールを彷彿とさせて好きなんですよね。このくらいはっちゃけてやってほしい。バリー(2)が「この戦いはスローで見せたかったよ」なんてセリフを言うんですが、バトルシーンは超見応えあって良かった。予告の期待を超えてくれました。
そしてもう一人のメイン、バットマン。このマイケルの再演はものすごいインパクトある事件でしたが、これはこれで引退済みヒーローの哀愁みたいなものが出てたし、バリーたちに影響受けてヒーローらしくなっていくのがグッとくる。リアルタイムで時間が経ってるからこその言葉の重み。
序盤のベンアフレック版を含めこれまた思ってた以上にバットマンの活躍出てくるので嬉しかったな。
予告にある通りバリー(1)も能力を取り戻してからの、2人のフラッシュの共闘。そこにバットマンとスーパーガールがそれぞれ適材適所で奮闘するラストの大規模バトルは見せ場も色々あってテンション上がりましたが、その後がね。
かなり切ない展開が続っていう。これネタバレしちゃいますが「やっぱり歴史は変えちゃいけない」ここまで書くと察しちゃうと思います。ドラマ版もシーズン丸ごと使ったりしてやってましたが、あの決断は涙なしには見れないよ。
さらにスーパーのシーンね。ここを丁寧に描いてくれたおかげで、仮にSF要素とか無視したとしても感情移入してめっちゃ心に来ると思う。そしてそのことが影響して多少救いのある終わりだったのが良かった。もう一個だめ押しのサプライズもあるし。
歴史が変わったせいでバック・トゥ・ザ・フューチャーの主演がエリック・ストルツなってたというのも、当初は本当に彼で撮影してたものの最終的にマイケルJフォックスになった実話を元にしてるし、そういう「ありえたかもしれない世界」を小ネタとして入れてて、びっくりするカメオ出演がたくさんありました。過去のアメコミ作品知ってる人はニヤッとできると思います。あとはバリーが壁を抜けてビールを取ってくるシーンで「ショーシャンクの空に」と同じポスター貼ってたりね。細かいツッコミどころがたくさん。
コミカルな描写がほんと多いので、シリアスではきっちり泣かされつつもニヤニヤして見ることができました。
マーベルは追ってるけどDCは、って人にもおすすめ。
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