1985年、大量のコカインを運んでいた飛行機が墜落して森にばら撒かれてしまうが、なんと野生のクマがそれを摂取してしまう。ハイになってより凶暴化したコカインベアは暴走を開始。絵を描きにきた子供達、不良少年、コカインを取り戻したい麻薬王、彼をおう警察、レンジャー、救急隊員など様々な人々が巻き込まれ、次々に犠牲者を出していく。
ショッキングだけど、どこか笑ってしまう、ハイテンションな衝撃作。
ケリー・ラッセル、オールデン・エアエンライク、オシェア・ジャクソン・Jrら共演。
あらすじ
1985年、セスナ機でコカインを運んでいた運び屋が、アメリカ・ジョージア州の森にコカインを投下したあと、機体から落下して死んでしまう。麻薬王のシド（レイ・リオッタ）は手下のダヴィード（オシェア・ジャクソン・Jr）にコカインの回収を命じる。一方、13歳のディーディー（ブルックリン・プリンス）は森へ絵を描きに行くが、コカインを食べて凶暴化したクマに襲われる。(シネマ・トゥデイより)
これは公開当時から話題になっていた作品で見るのも楽しみにしていたのですが、想像以上にぶっ飛んだ映画で面白かったです。R15+指定なので結構グロっていうかショッキングなシーン出てきますのでそこだけはご注意していただきたいのですが、個人的にはむしろ怖いというよりも笑ってしまいました。
基本的には熊による犠牲が大多数なんですが、一部「射撃の下手な人による悲劇」もありました。麻薬王とかチンピラとか出てくるのに、それを起こしたのが正義側っていうのがまたなんともいえないコミカルポイント。序盤でクマが死んだら話終わっちゃうから人間サイドはやられっぱなしなのはある程度予想できましたが、もうちょっと協力とかしないと。
R指定要素のもう一つが、試してみようぜ、って13歳設定の子供達がコカインを食べる(粉を口に含んでた)シーンがあること。流石にこの子達は死にはしないとは思いますが、日本の感覚だとそこまでやっていいんだ〜って感じしますよね。襲ってくるクマから逃げようと木に登ったり、結構ハラハラするシーンありました。
その子供達の恐怖と、必死に助け出そうとする母親の強さを感じさせる要素だとか、麻薬王とそれをおう警官のエピソードなんかもなんだかんだ楽しめましたが、基本的にはストーリーはあってないようなもの。「出オチ」というかとにかく「コカインでラリったクマ」に翻弄される人々を面白おかしく書いただけなのであまり期待しないでみてください。それでもとある犬の最終的な所有権や友情、生き残った人たちのハッピーエンド感はやはり爽やかなので、多少強引でも綺麗に終わってくれて満足感あります。
ちなみに公開までに時間が空いた関係でレイ・リオッタの遺作になっています。この人ジェニファーロペス主演の海外ドラマ「シェイズオブブルー」でも麻薬がらみの役柄やってて懐かしかった。あとは「ブレイブニューワールド」や「ハン・ソロ」のオールデン・エアエンライクとかも出てます。
クマのアクション(?)に関してはすごくリアルな造形で変にCG感も感じさせずに描写してくれるので説得力というかちゃんとパニックものとしてみごたえありましたし、予告動画でも使われてる救急車にダイブしてくる映像がダイナミック。そことか、家に入ってこられるみたいな緊迫感がこの醍醐味ですよね。
この作品独自の良さとしたらやっぱり「より多くのコカインを求める」ので、粉まみれになってしまった人がターゲットになったり、まだ無事なコカイン入りバッグに吸い寄せられたりといった要素で、一応「コカインに注意を引かせて逃げる」みたいなことができるのも面白い。
安全地帯にいればいいんですが、悪人側は【コカインの回収】母親は【娘を探し出す】っていう目的があるために逆にクマに近づかなきゃいけないのが辛いし、だからこそ映画として成立してました。
そうそう、ちょっとだけですがこぐまも登場。危険なのは一緒なんですが、やっぱり可愛かったです。そしてこれまた王道。家族に対して優しくすれば、相手(動物)にも伝わるという……良かった。
前述の通りR指定なので万人におすすめ、というわけにはいきませんが、ショッキングな一方で笑える作品だと思いますので耐性がある方はぜひ。
アマプラにて吹き替え版で視聴。
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