とある島にあるロサス王国はどんな願い事も叶うとされ、各地から人々が集まってきていた。国民は自分の一番の願い事を国王に捧げることでその内容について自分自身は忘れてしまうものの、定期的に行われる儀式で選ばれた人間だけはその夢を叶えてもらうシステムだった。17歳のアーシャは王の補佐役になるチャンスが巡ってくる。無事に合格したら祖父ソバの夢を叶えようと考えていた彼女だったが、王は想像していた以上に自分勝手でほとんどの願いは叶えられない現実を知ってしまう。絶望する彼女の前に不思議な力を持つ「スター」が現れ、願いを解放しようと決意するのだが……。
ディズニーの根底にあるメインテーマに真っ向から挑んだシンプルゆえに力強いメッセージ。過去作を思わせる要素も散りばめられた心温まるすtーリー。
吹き替えキャストに恒例の山寺宏一のほか、福山雅治、檀れい、鹿賀丈史ら共演。
あらすじ
自分にとって一番大切な願いを王様にささげることで、どんな願いもかなうとされるロサス王国。この国に暮らす明るく前向きな17歳のアーシャは、まだ自分の本当の願いを知らなかった。王国の人々を大切に思うアーシャは、ある出来事をきっかけに王国に隠された邪悪な一面を知る。(シネマトゥデイより)
あらすじや予告動画でもわかる通り、この映画は「星に願いを」もうこの一言に尽きるんですよね。100周年で変に冒険せずに、ストレートにディズニーらしい作品を持ってきた。だから逆にいうとストーリー展開そのものについてはかなり予想の範疇というか王道も王道ど真ん中なんでハラハラドキドキとかうおーってなる場面自体は少ない。家族で安心して見られる作品。
ただ特徴的なのは「どんな夢も叶うから」と島に来ているのに、預けることで「夢の内容を忘れてしまう」こと。仲間の中で一番年齢が高いやつはすでに預けちゃってるのですが『なんかちょっと変わったよね』みたいなセリフがあるんです。こういう部分からも【夢見ることをやめないで】っていう正論パンチが飛んできてるし、【夢は自分自身で叶えるもの】って印象も受けます。
映像については魔法の世界なのですごく幻想的な場面がいくつもあるんですが、びっくりしたのが背景。登場人物自体は昨今あるようなCGというか3Dアニメなんですけど、背景が水彩画?というか絵本の挿絵みたいなタッチになってるのに違和感なく融合しているんです。これも昔のディズニー映画オマージュぽさあるし、「おとぎ話」感マシマシに一役買ってたと思います。
マレフィセントかな?ってくらい緑色のオーラに包まれて[THE ディズニーの悪役]全開の王様ですが、この人の行動は褒められなくてもどうしてそうなっちゃったかの理由には共感できるものがあった気がします。ちょっとでも脅威になりうる願いは叶えない。悲劇というトラウマによって疑心暗鬼が暴走していって、他人を信じることができなくなってしまった悲しい男なんです。だからって許されないけどね。この人も歌うシーンがあるのですが、そこはさすが福山さんでしたね。
映画はそんな悪役から人々の願いを解放するんだっていうこれまたシンプルなゴールに向かって進みますが、にぎやかし担当のヤギ(山ちゃん)を含めちょいちょいコミカルな要素を含んでたり楽しかった。他の作品にも言えることですが動物が可愛んですよね。鶏とか、うさちゃんとか。キノコのドラムはちょっとリトルマーメイド思い出したかも。
アーシャの友達も結構活躍してて、野暮なことですが国際色豊かだったり、松葉杖ついてたり多様性を感じた。特に賢そうなメガネちゃんの働きがグッジョブでしたね。みんなであーだーこうだ言いながら協力しあって、二手に分かれて作戦を開始してくのも仲間っていう感じ。今回もヒロインが活躍する系だけど、戦闘面で優れてるとか魔法のセンスがあるとかじゃなし、シンプルに「自分の願いはまだうまくわからないけど、王のやってることはダメなことだよね」って素直な心で挑む普通の子ってところがいい。スターに選ばれたのもわかる。そんな彼女が最後には。
もちろんハッピーエンドなのでそこも安心して見れるんですが、単純に「魔法の力でなんでも叶える」から変わったのも好きだなー。これでさらに僕らに身近な物語としてより深く刺さるというか。願うこと、何か目標に向かって頑張ることの大切さを改めて噛み締めました。
冒頭でも触れた通り過去のディズニー作品のオマージュが入ってるんですが、特に「俺の夢は哺乳類だらけのユートピアを作ること」とかがわかりやすかったですwエンドクレジットにいろんなキャラクターの絵が出てくるし、その後にソバが弾く曲が……。ジーンときちゃいました。
シンプルゆえに心にくるストーリー、家族みんなで。おすすめです。
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