アナザー・ラウンド / マッツ・ミケルセン主演。冴えない高校講師が同僚3人と共に「血中アルコール濃度を一定に保つと色々捗る」理論を試そうと実験。ほろよい状態で起きる変化は彼の人生に何をもたらすのか?

マッツ・ミケルセン主演。アカデミー賞国際長編映画賞受賞。
マッツとは『偽りなき者』でも担当した、トマス・ヴィンターベア監督&トビアス・リンホルム脚本。ほろよい状態を維持して起きる変化を実験しようとする中年たちの顛末を悲喜交々で描く。
高校で歴史を教えるマーティンは冴えない男で生徒たちから人気がある方とも言えなかったが、同僚教師の「血中アルコール度数を一定に保つと効率が上がる」仮説を試したいという話に乗り、結果教師4人で実験を行うことに。みょうに気が大きくなり、明るく楽しい授業ができたことで生徒たちの態度も変わるなど、マーティンをはじめいい方に向かう。そこでさらにアルコール量を増やして見ることに。妻との関係も修復できつつあると感じた矢先、やはりトラブルが起きて……。
「良い子は真似しちゃダメ」をやってしまった男たちを待ち受ける結末とは。中年男の哀愁を感じさせる、コミカルだけどどこか切ないドラマ。
あらすじ
さえない高校教師マーティン(マッツ・ミケルセン)と同僚3人は、ノルウェー人哲学者が主張する「血中アルコール濃度を一定に保つと仕事の効率が良くなり想像力がみなぎる」という理論を確かめる実験を開始。仕事中でも構わず酒を飲み続けほろ酔い状態を保つと、授業も楽しくなり生徒たちとの関係も良くなっていく。仕事だけでなくプライベートも好転するかと思われたが、実験が進むにつれて制御が利かなくなってしまう。(シネマ・トゥデイより)


最初に書いておくと、やっぱりマッツかっこよすぎる(笑)序盤の冴えないオーラ全開や、ほろ酔い状態、ハイテンションで自信に満ち溢れてる姿、そして予告でもバンバン使われているダンスシーン。いろんな姿が見れますが、いちいち絵になるんですよね。イケオジ。今回も吹き替えは井上和彦さんなので渋くていいです。
ただ、こういう題材ってだけでもろ手のハッピーエンドはないな、っていう予測が真っ先に浮かんだわけですが、日本映画じゃないからなー。

当然酔っ払い状態になるのでそれでの失敗みたいな要素も後半出てきますが、ある程度セーブされている状態だと単純に口が回るようになったりいつも以上に大胆になれたり、あとは明るくなったりと確かにいい傾向もあってあながちこの仮説も間違ってないのかもなって思わされます。まあ実体験としてなんとなくわかる部分もありますよね。ただ言動に対してのブレーキがききにくくなったり、運転などの動作に影響できるから絶対に褒められることじゃないんだけど。それこそプロポーズするのにちょっと飲んで、みたいなのはつい最近までよくあった気がする。

その「いい結果」が出ている時は実験4人を見ているだけでこっちも楽しい気分になって、そこ本当に良かったです。主人公マーティンにしても単純に歴史を暗記させるわけじゃなくて人となりをほりさげてみたり、アレなら授業を受けてみたい。合唱のシーンもデンマークの歌が聞けて良かったし、あとはサッカーコーチもメガネくんとのやりとりが好き。
自分らがうまくいったからって、「試験の前に飲んじゃえ」って学生にまで勧めるところは悲劇が起きなきゃいいなってヒヤヒヤでしたけど。

前述の通り途中からエスカレートするので、その結果として「バッドエンドへの予感」がさらに強まっていくのですが、みんなベロンベロンでスーパーでろくに買い物できなかったりバーで怒られる流れとかは喜劇感満載。痛々しさもあるけど中年4人が童心に戻ってめっちゃ楽しそうなのでどこか羨ましさまで感じるほどでしたね。魚が売ってない?なら釣ってやるぞ!とかほんとおバカ。赤ん坊のお世話→自分がおねしょは笑った。

マーティンは妻や子供たちとの関係も結構描かれていて、全てに疲れてあんまり向き合おうとしてなかったのにキャンプ行ったりなどちょっとずついい兆し自体はあるものの、途中でどうしてもダメになってしまう。この何もかもがちょっと遅かったかもしれないっていうのが切ないですよね。すでに心が離れていてどうしょうもない感じ。

先に触れた通りやっぱり悲劇も起きてしまうわけですが、それによって全部が全部バッドエンドに繋がるわけではない。お酒で失敗してしまったなら、それに頼らずにする方法もある。この映画では面白おかしく危険な実験を扱っていますが、同時にある意味「再生の物語」でもあったので自分自身を見つめ直して、新しい生き方を目指していく希望はありました。

色々あったけど希望も見えて、生徒たちも卒業。めでたいね!っていう雰囲気にうやむやになってる感もありますが、時にお酒の力を借りながらでも今後の人生に立ち向かっていこう、そんなメッセージを感じる作品でした。

余談ですが元々監督の娘さんのアイディアから始まっていたらしいんですが、なんと撮影4日に自動車事故でなくなってしまって、結果内容を変更したらしいです。

原題はDruk デンマーク語で暴飲のこと。邦題でもある英語タイトルのアナザーラウンドは「もう一杯!」どちらも好きです。
U-NEXTで吹き替え版で視聴。

23年10月現在、Amazonでも字幕版がプライム会員見放題対象です。

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