とある出来事をきっかけに学校にいけなくなってしまった中学生のこころ。ある日自分の部屋の鏡がひかり、その向こう側の空間に入り込んでしまう。そこには大きなお城があり、自分と同年代の子どもが集まっていた。案内役のオオカミさまから、そこに隠された「鍵」を手に入れた者はなんでも好きな願いが叶うが、叶えた瞬間にここでの記憶が消えてしまうと説明を受ける。居場所がない子どもたちは城に通い、すこしずつ仲間はうちとけていくのだが……。
ボイスキャストとして北村匠海、麻生久美子、芦田愛菜、宮崎あおい、高山みなみら共演。
あらすじ
中学生のこころは学校に居場所がなく、部屋に閉じこもる日々を送っていた。ある日突然、部屋の鏡が光を放ち、吸い込まれるように中へ入ると城のような建物があり、そこには見知らぬ6人の中学生がいた。さらに「オオカミさま」と呼ばれるオオカミの仮面をかぶった少女が現れ、城のどこかに隠された鍵を見つけたらどんな願いでもかなえると告げる。7人は戸惑いながらも協力して鍵を探すうちに、互いの抱える事情が明らかになり、徐々に心を通わせていく。(シネマ・トゥデイより)
※いじめ、性的暴行を示唆するシーンがあります。ご注意を。
この原作作品も気になってたものの読めないままアニメ版の視聴になってしまいました。とはいえタイトルしか知らない状態で見たのでいろいろと驚かされたり新鮮に見れてよかったと思います。機会があればぜひ原作も読んでみたいと思います。余談ですが今年の本屋大賞「成瀬は天下を取りに行く」は2巻目含めてめちゃくちゃ面白かったので、実写、アニメ化楽しみにしてます。
すぐ上で書いた通り「不登校」の子どもがメインキャラクターなので、そういう状況になってしまった理由みたいなものが、こころをはじめ描かれます。そこがね、ちょっと見ていて不快というか嫌な気持ちになっちゃうの恐れがあるのでね。典型的な、一方的な逆恨みなので胸糞わるくなるし、家までくるのはちょっと怖かった。あれは学校行きづらいよ。
終盤あたりには別の子で、直接的な描写こそないものの乱暴されたことがある、されかけるシーンもあってそこも辛かった。あとは親の過度な期待によってピアノ漬けになったりとか、それぞれのエピソードが切ないし、可哀想になってくる。
だからこそそういうこと抜きにして交流をはぐくむことができる「城」での日々は楽しそうだし、年相応の子供って感じ。周りから からかわれてしまうけど、好きになって猛アタックするところとか微笑ましい。劇中では最初にこれるのが『日本時間の9時5時』って説明があるのでこころと同じような境遇なのを察することができるのですが、怒りにまかせて「みんな不登校児じゃないか!」ってキレるシーンの空気はこっちもヒヤヒヤしました。
ちなみにこの面々の共通点というか選ばれた理由についてはおおかた予想してた通りのものだったのですが、分かった上でも映画ラストでハッピーエンドに向けてのもろもろは涙なしには見れなかった。自分のトラウマが刺激されてしまうおそれもあるけど、居場所がなくてもがいてる人々へのエールになってる優しい映画だったなと思います。
さらによかったのは、生徒に甘くて自分は人気者だと勘違いしてる若い男性教師(声はオリラジ藤森さんが担当してます)がすごく薄っぺらい教師だったくらいで、事情を知った後の母親も、フリースクールの先生もすごくこころのことを尊重して、味方になってくれるんですよね。そこが完全な孤立ではなかった。あとは転校生の友達の存在もでかい。
個人的には「たかが学校なのにね」というセリフは負けない勇気、気にしない強さといったものを感じさせてグッとくる一方で、それは分かっていても身動き取れなかった彼女たちにはキツイのではないかなと思ったり。心をゆるせる友達、仲間がいるから学校に行けるのはすばらしいけど、そこをゴールにして変にプレッシャー感じなくてもいいと思う。その辺りも劇中でこころが思うように決めていいってフォローされていたしね。
ルールをやぶると悲劇が起きる、っていう設定のおかげでこれまた「願いをどうつかうか」はある程度予測ができたのですが、そのルールを破ってしまった理由とかが泣けたし、鍵のヒントとなる物語、とある童話とのリンクとかなるほどなーって感じでした。オオカミさんの正体とかも切なくて。
でもそこからちゃんと前述のハッピーエンドにつながる。「そうくるか!」という展開は鳥肌ものでした。メンバーの名前とかもそれとなく読めるようにできてるけど、あれは気づかなかったなー。
題材が重めですが、ファンタジー要素あり、悩みを抱えた少年少女たちの交流を通して心あたたまる物語で、原作が評価されたのも納得。ちょっとちがうかもしれないけど城での日々がいわゆる「ピアカウンセリング」になってるのかな。って気もしました。フリースクールに通ってるようなもの。たとえ記憶がなくなっても、この歳月には意味があった。
シリアスになりすぎないようにちょいちょいギャグ要素もあって、メタネタですが高山みなみさん(コナン)の声のキャラが「真実はいつもひとつ」て言ってて笑いました。
金曜ロードショーで録画、アマプラにて視聴。
24年8月現在Amazonプライム会員見放題対象です。放送当時は多少カットされていたようなので、急遽サブスクで見ました。
動画はこちら
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