主演の重岡のほか、中条あやみ、岡山天音、西野七瀬、堀田真由、戸塚純貴、森川葵、間宮祥太朗ら豪華共演。
あらすじ
オーディションに合格した男女7人の役者が、早春の乗鞍高原のペンションに集まる。大雪に見舞われ、孤立した山荘が舞台の殺人劇という設定の舞台稽古がスタートするが、現実の世界でも一人また一人と参加者たちが消えていく。これは本当に芝居なのだろうかという疑心が、やがて役者たちの間に生まれていく。(シネマ・トゥデイより)
上記予告動画で本人から「ネタバレなしで」とか、全てが伏線、驚愕のラストなどものすごい煽ってくるのでなんというか【どんでん返しという宣伝がすでにネタバレ】的なのと同じ匂いを感じて笑ってしまった。ただでさえミステリってこっちも犯人考えながら見るひと多いのに、ここまで挑戦的だからいつも以上にあらゆるものが怪しく見えちゃって、それはそれで楽しかった。必要以上に勘ぐっちゃう的なね。
一応主人公というかメインの探偵役としては主演の重岡くんが演じる久我がいるのですが、この人はお馴染みのメンバーに混じって今回初めて最終選考に残ってるし、フリークを自称して一人一人にめちゃくちゃ詳しいのがすごく気になりましたね。そして主要キャストの中にいるのに、合宿にはいない森川葵さん。この辺りがどう絡んでいくのか。合宿の過去になんかあるのかな？そんな漠然としたことを考えがなら見始めました。
全部で2時間ないのに殺人は3件起きるのでテンポ自体はすごくいいんですが、短いやり取りの中でもメンバーそれぞれの性格とか同士の関係性が見えるのが面白くて。特に「誰が見ても明らかでしょ」って劇中でも言われているような色恋というか片思いの矢印がね。岡山天音さん演じる田所がコンプレックス爆発させてて見てる分には面白かった。けど一番友達になりたくないタイプ。ちょっと潔癖症なところもあるし、一方で自分が好きな相手に「誰々と付き合ってないのか？」って確かめるために部屋に押し入って口元抑えるとか控えめに言ってクズでしょ。久我が彼にすごく当たりがきついのも笑った。
一方で俺様キャラかと思った本多(間宮)がなんだかんだで大人っぽくてちょっと意外。憧れてるのもあるけど久我が一番懐いたのもよくわかる。粗暴なんだけど、全体を見てるんですよね。劇団のリーダーとしては雨宮なんだけど、一番芝居に熱いのは彼かなぁって。キャスティング的にもあっていたように思います。若手俳優陣豪華共演でしたが、大前提として全員役者という設定なのでそこに説得力持たせる必要があるので難しかったと思うんですけどね。アイドルから女優に転向した西野さんについては「親のコネ」というポジションで上手いなぁと。
個人的には別荘の中での様子を上から見下ろしたような、間取りの中に人間を入れたみたいな描写があるので「別荘の構造そのものに秘密がある」とか惑わされましたし、色々視点を変えつつ「この時フリーだったのは誰か？」とか注意深く見るのが楽しかった。前述の通り劇中では久我がその都度相手を変えつつ自分の推理をしていくので一緒になってフムフム……と楽しめたのも面白かった。
面白いと言えばちょいちょいギャグ的なものも挟まれていて、お互いのアリバイのために男同士で紐をつなげるくだりだとか、雪の山荘の設定なので「寝たら死ぬぞー」ってお約束やりながら戯れていたり。ライバルではありつつも楽しく芝居やってきた仲間って感じがしたし、その一方で表面上は仲良くしてても実際はバチバチって怖さがね。「演劇あるある」みたいなドロドロ。
予想してた通り今回の合宿以外の部分での要素が判明しつつ、最後にはちゃんと犯人がわかるのもスッキリしましたし、その後の展開がいい。サスペンスではあるもののホラーとかじゃないし、一本の映画としてまとまってて最後まで楽しめました。
予告動画の通りできるだけ情報を入れずにぜひ見てほしい作品です。やはり東野圭吾作品好きだー。
アマプラにて視聴。
24年4月現在、Amazonプライム会員は見放題対象です。
動画はこちら
https://amzn.to/3w2lvsW
原作はこちら
ある閉ざされた雪の山荘で (講談社文庫)
人気ブログランキング参加中。
この記事へのコメント